2018.04.23

平成30年2月富山県議会定例会でのご報告

平成30年2月富山県議会定例会(平成30年3月12日(金)予算特別委員会質問要旨及び答弁)

問1 電気料金改定と当面のエネルギー政策について
問(1)
電気料金改定(値上げ)について、県民や経済界等の反応を踏まえた県の所見を問いました。
答(1)
石井知事 北陸電力が来月から実施する電気料金値上げにつきましては、御指摘のとおり契約数では全体の2割ですけれども、販売電力量では全体の約8割ということでありまして、家計などの県民生活はもとより、県内経済、特に厳しい経済環境にある中小企業では一定程度の影響があるのではないかと考えております。
 北電のほうで開催された一般契約者向けの説明会では、オール電化住宅など特定の契約者が値上げになるのは納得できないとか、志賀原発がこのまま再稼働しなかったら再値上げになるのかなどの不安の声や、事業所の統廃合など一層効率化を進めるべきなど、北電の経営効率化に関する厳しい意見があったと伺っております。
 また、県が実施しました商工団体へのヒアリング調査では、工場が24時間稼働しているために影響が大きいとか、再値上げにならないか心配であるなどの経営への影響を心配する声、また、販売価格への転嫁が難しい、消費者の節約志向による売り上げ低下が懸念されるなど、消費の縮小を懸念する回答も寄せられております。
 北陸電力におかれては、役員や従業員の年収水準の引き下げによる人件費の削減や、低コストな燃料の利用拡大による燃料費の削減など経営改善に取り組んでおられますけれども、値上げ対象となった利用者に対しては丁寧な説明を尽くしていただくとともに、引き続き経営合理化やコスト低減に最大限努力して、全国的にも低水準の電気料金、これを維持していただきたいと考えております。

問(2)
志賀原発の再稼働について県ではどのように捉えているのかを問いました。
答(2)
山本総合政策局長 志賀原発につきましては、北陸電力からの申請を受けまして、現在原子力規制委員会におきまして新規制基準の適合性審査が行われており、これまで7回の審査会が開催され、敷地内断層のうち、活動性の有無を評価する断層の選定などについて議論が行われております。
 国の新規制基準では、原子炉建屋等の重要施設は、活断層の露頭がない地盤に設置することとされておりまして、活断層の有無は、原発立地そのものにかかる重要な問題でありますことから、国において慎重に審査が進められているものと考えております。
 今後、志賀原発敷地内の断層が活断層であるかどうかの判断でありますとか、原発の安全性確保、再稼働につきましては、法律上の権限と責任を有する国におきまして、専門家によるさまざまな科学的調査、分析、十分な検証等を行った上で総合的に判断いただくことになります。その結果につきましては、原発の立地県はもとより、県や氷見市など、周辺自治体、県民等も理解し十分納得できるよう、国に対して体系的かつ適切な説明を求めてまいりたいと考えております。

問(3)
2019年10月までに志賀原発が再稼働できない場合の電気料金対応の見通しについてを問いました。
答(3)
伍嶋商工労働部長 北陸電力におかれましては、これまで、役員や従業員などの年収水準の引き下げによります人件費の削減や、燃料費の削減などの経営改善をされたところでありますが、志賀原発の再稼働の見通しが立っておらず、大型石炭火力の修繕費や燃料費の増加等による収益悪化によりまして、電気料金の一部値上げに踏み切らざるを得なくなったと伺っております。
 このたびの電気料金改定の算定は、値上げ幅の抑制の観点から、2019年10月からの志賀原発の再稼働を前提として算定されたと聞いておりまして、北陸電力として、この時期に再稼働を実現の見通しが立っているわけではないものの、電気料金は、基本的には維持したい意向と伺っております。
 なお、今回の値上げ後の電気料金につきましては、その時点における収支状況や電力の受給状況などを踏まえまして、北陸電力において判断されるものと考えております

問(4)
原子炉建屋直下の断層が活動性がないことを証明する必要があると考えるが、県ではどのように捉えているのかを問いました。
答(4)
山本総合政策局長 原子力規制委員会の有識者会合を取りまとめました評価書におきましては、評価は限られた資料等に基づくものであり、より正確、確実な評価にするためにはデータ等の拡充が必要とされまして、原子力規制委員会が新規制基準の適合性審査を行った上で、法に基づく許認可の可否を決定することになります。
 このため北陸電力では、これまで、敷地の地質や地質構造、それから、追加のボーリング調査等の結果を説明してまいりましたが、去る3月2日に開催されました7回目の審査会合におきましては、断層5本を活動性の評価対象として選定することを説明されたところであります。
 一方、国は、他の断層を評価対象に追加する可能性があるとし、北陸電力に対して資料の再整理を求めましたが、並行してS1断層など断層5本の活動性の審議を行うとされました。今後、活動性の評価が本格的に議論されるものと考えております。
 県としては、原発は、安全が第一であると考えております。活断層の有無につきましては、原発立地そのものにかかる重要な事項でありまして、北陸電力におきましては、適合性審査について、敷地内断層の活動性に関する説明を含め、しっかり対応していただきたいと考えております。

問(5)
停止中原発の維持管理費等の負担を契約書に負わせることへの疑問や停止の長期化による負担増への懸念等について、県の所見を問いました。
答(5)
伍嶋商工労働部長 電気事業者が能率的な経営のもとにおけます適正な原価に適正な利潤を加えるものを電気料金として算定することは、旧電気事業法においても認められておりまして、停止中の原子力発電所の修繕及び維持管理経費を電気料金に含めることは、電気事業者の経営判断の1つとして、北陸電力以外の電気事業者でも行われていると承知をしております。
 北陸電力には、県民及び事業者に対して、電気料金の値上げの理由、そして、経営状況や今後の効率化の取り組みなどについて丁寧な説明を行うとともに、今後より一層の経営の合理化、効率化の取り組みを進め、コスト低減に最大限努力することにより、全国的にも低い電気料金水準を引き続き維持していただきたいと考えております。

問(6)
国の責任において、原発に関する安全面等にかかる正確な情報を開示すべきと考えるが、県の所見を問いました。
答(6)
山本総合政策局長 原発の安全等に関する情報につきましては、国においてホームページ等により公開しているところでございます。
 今、委員から御指摘いただいた事項につきまして申し上げますと、まず、停止中の原発の安全性につきましては、原子力規制委員会の委員長が使用済み燃料の中には大量の放射性物質があり、一定のリスクはあるとした上で、停止中であれば、安定的な冷却のために必要な措置をとるまでの時間的余裕が相対的に増加する旨答弁されております。リスクが若干下がるという認識という意味かと思います。これを、原子力規制委員会のホームページでも、同趣旨の見解が示されているところでございます。
 また、廃炉につきましては、原子炉の解体、撤去等の廃止措置について、国の認可を受けた上で30年間かけて行われまして、廃炉費用は、電力会社が電気料金から積み立てた解体引当金を充てること、さらに、使用済み核燃料の処理等につきましては、法律に基づき高レベル放射性廃棄物は、原子力発電環境整備機構が最終処分をすること、また、将来世代に負担を先送りしないよう、現世代の責任で取り組むこと、また、最終処分を行う施設の建設場所の選定に当たっては、国が前面に立って国民の理解を深めるための全国的な活動を行うことなどが原子力規制委員会及び経済産業省のホームページに掲載されているところでございます。
 県といたしましては、国の責任において、原発の安全に関する正確な情報がわかりやすく公開されますよう、引き続き、全国知事会と連携いたしまして国に働きかけてまいりたいと考えております。

問(7)
我が国の当面のエネルギー政策は、原発停止前後のエネルギー自給率・貿易収支状況等を踏まえ、原発稼働による一定水準の収益を確保する中で、国の責任において、
・原発から発生する核廃棄物の処理システムの構築
・原発廃炉技術の確率
・再生可能エネルギー導入の推進(特に富山県は水力発電)を図るべき等と考えるが県の所見を問いました。
答(7)
伍嶋商工労働部長 我が国のエネルギー自給についての現状及び課題といたしましては、東日本大震災以降、ほとんどの原発の停止によりまして、エネルギー自給率は8.4%まで落ち込み、脆弱なエネルギー供給構造となっております。
 また、石油や天然ガスなど化石燃料の輸入が拡大いたしまして貿易収支が悪化していること、さらには、化石燃料依存の増大によりまして、地球温暖化の原因となります温室効果ガスの排出量が大幅な増加となっていることなどが挙げられます。
 こうした状況を踏まえまして国におかれては、再生可能エネルギーにつきまして、重要な低炭素の国産エネルギー源として位置づけ、エネルギー自給率の向上や地球温暖化対策、さらには、新たな産業育成などの観点から導入を積極的に推進していくこととされておりまして、発電電力量に占めます再生可能エネルギー比率を、現在の15.3%から2030年度には22%から24%までに拡大することを目指していくということとされております。
 県においては、平成26年4月に定めました委員からも御紹介がありましたけれども富山県再生可能エネルギービジョンに基づきまして、小水力や地熱など、本県の強みを生かした再生可能エネルギーの導入推進に取り組んでおりまして、1つには、農用用水などを活用した小水力発電については、現在42カ所が稼働中、運転中でありまして、平成33年度の目標の45カ所を達成する見込みとなっております。
 また、地熱発電につきましては、県の企業局で多くの地熱兆候が確認されます立山温泉地域において、県内初の導入に向けて、地下の熱分布や地質構造等を調査しているところでございます。
 県としましては、今後とも水力発電を初めとする再生可能エネルギーにつきまして、事業者や市町村とも連携しながら、導入促進に向けて積極的に取り組んでまいります。

問(8)
国民生活と産業活動の前身・向上、国力の更なる増強のため全国知事会等での国への要望に、「安全性の確保を大前提に、既設原発の早期再稼働の推進」を盛り込み、このことについて、ベテラン知事であられる石井知事には、全国知事会での議論をリードして頂きたいと考えるが、知事の所見を問いました。
答(8)
石井知事 原子力発電を含むエネルギー政策につきましては、私といたしましては、かねてから原子力発電の依存度をなるべき引き下げて再生可能エネルギーの割合を高めていくことが望ましいと考えておりますけれども、ただ、一方で、コスト上昇による国民生活や経済への影響、また、CO2削減による地球温暖化防止対策の必要性などを考えますと、短期的には安全性の確保を大前提としつつ、現実的な観点に立って、必要な電力量の安定的な確保を図る必要があると考えております。
 原発の再稼働につきましては、法律上の権限と責任を有する国において、専門家によるさまざまな科学的調査分析、また、十分な検証等を行った上で総合的に御判断いただくことが重要であると考えております。
 また、その際には、その結果について、原発の立地県はもちろんですけれども、氷見市や、また、本県など、周辺自治体や県民等も理解をして、十分納得できるような体系的かつ適切な説明をしっかりしていただく必要があると考えております。
 全国知事会におきましても、委員から御指摘がありましたように、私もこの原子力発電対策特別委員会の委員として参加しておりまして、まず、1つには、原発の再稼働について国に対して安全性の確認だけではなく、エネルギー政策上の重要性や必要性等を十分に考慮して、国が一体となって責任を持った判断をしてほしいこと、2つには、再稼働に至った経緯や結果については、国民や地方自治体に十分な説明を行って理解を得るように国として主体的に取り組むこと、こういった提言を昨年7月まとめまして、国に対して求めております。
 県としましては、これまでも、経済産業大臣等に何度も要請してまいりましたけれども、エネルギー政策は国民生活や産業の重要な基盤であります。委員の御指摘のとおり、安全性の確保はもちろん、日本再生のための成長戦略や温暖化対策、また、国民負担等を総合的に勘案して、バランスのとれた形で進めていただきたいと考えておりまして、今後も国に働きかけてまいります。

問2 芸術文化の振興について(富山県美術館と今後)
問(1)
芸術文化圏形成の認識と評価についてを問いました。
答(1)
磯部生活環境文化部長 今ほど委員から御紹介ありましたように、富山県には大変多くの美術館、博物館などございまして、人口当たりの登録博物館数では全国3位、また、文化ホールにつきましても、客席数300以上の文化ホール数が全国で、人口当たりでは全国1位であるなど、ハード面では全国トップクラスにございます。
 また、これらの施設の中には、著名な建築家により、富山県美術館もそうでございますが、設計されたデザイン性にも優れた施設も数多くあります。
 その一方で、ソフト面におきましても大変個性豊かで存在感のある施設が多く、今ほど委員から幾つか御紹介いただきましたが、富山県美術館、水墨美術館、あるいは立山博物館、さらには高志の国文学館、そのほかにも、民間の施設としまして、ギャルリー・ミレー、あるいは、東京を拠点にしておられます森記念秋水美術館などなど、大変多くのものがございます。
 さらには、これは公立の美術館になりますが、高岡市においては万葉歴史館ですとか、大きな空間を生かした作品を展示していらっしゃる下山芸術の森発電所美術館、あるいは、市民アトリエでワークショップが活発に行われている砺波市博物館など、本県の文化施設、ハード、ソフト両面にわたって、全国に誇れるものじゃないかなというふうには思っております。

問(2)
全国PRが必要性と考えるが、今後どのように取り組むのかを問いました。
答(2)
磯部生活環境文化部長 本県には、公立、私立の美術館や博物館、73館が加盟する富山県博物館協会というものがございまして、富山県美術館がその事務局を担ってございます。
 この県の博物館協会におきましては、加盟館の施設の概要ですとか企画展の情報などを紹介しました冊子、これは、富山ミュージアムガイドと申しておりますが、こういったものを発行しましたり、各館のジャンルですとか展示内容などを検索できるホームページを改正するなど、多様な情報提供に努めております。
 また、県では、市町村や富山観光推進機構などとも連携しまして、先ごろ、まさに富山のアートとクラフトをテーマとするハンドブックを作成いたしまして、県内の美術館、博物館などをめぐるモデルコースですとか、美術、工芸分野の体験型の観光プログラムを紹介して、県内外で配付、PRしておりますほか、首都圏等の大手旅行会社に対しまして、富山県美術館を初め、県内の美術館、博物館をコースに入れた旅行商品を企画していただけるよう働きかけを行っております。
 また、来年度からは、富山県美術館では、個人や団体のツアー向けに、この施設が組み込んでいただけるよう、旅行会社と提携する取り組みも進めることとしております。
 今後とも、富山県にはハード、ソフトとも優れた美術館、博物館がたくさんございますので、そういったことがたくさんあるということを首都圏の美術ファンなどにも関心を持っていただけるようにPRしてまいります。

問(3)
美術館の共通入館県採用等関連施設の連携について
本県内における県・市及び民間関連施設での共通入館券、割引観覧料等の連携はどのようになっているのかこれまでの実績と今後の見通しについて、また、県域を越えた関連施設の今後の連携の可能性について所見を問いました。
答(3)
磯部生活環境文化部長 県内の美術館の連携につきましては、現在、県内62の公立、私立の施設で利用できますアートのまちめぐりパスポートが発売されておりますほか、富山市の博物館等共通パスポートで富山県美術館などの常設展の観覧料を割引するなど、互いに施設の利用者が増えるといったような取り組みを進めております。
 また、県外美術館との連携に関しましては、これまでも、例えば、近代美術館の収蔵作品による企画展が東京ステーションギャラリーで開催されましたり、富山県美術館と金沢21世紀美術館で互いに企画展などのPRを行っているといったところでございます。
 委員から御提案ございましたけれども、それから紹介もございましたが、圏域をまたいで観覧券の、例えば半券によって割引するという連携などを行っている事例もございますが、まずは、展示内容などで関連の深い美術館とお互いの情報をPRし合うなど、相互にメリットとなるような取り組みを進めることをまず検討してまいりたいというふうに思っております。
 また、圏域をまたぐ共通入館券につきましては、実施主体ですとか各館から経費の負担金をどうするか、あるいは料金の精算をどうするかなどの課題もございますので、本年5月に本県で開催されます全国美術館会議の総会などにおきまして、広域的な連携方策についても情報交換してまいりたいなと、そういうふうに思ってございます。

問(4)
音楽専用ホールの設置について検討すべき
「アートとデザインの殿堂である県美術館」に並ぶ施設として「クラシック音楽の殿堂としての音楽堂」の設置を検討すべき。設置場所は、NHKと山放送会館跡地が適地と考える。知事のご所見を問いました。
答(4)
石井知事 県内の文化ホールにつきましては、さっきも御説明申し上げましたように、客席数300席以上のホール数が人口当たりで全国1位となっておりますし、また、ホールの数についても、委員御承知と思いますが、県立の新川文化ホールを初め、富山市のオーバード・ホール、また、アイザック小杉文化ホールラポール、また、入善町のコスモホールなど、県内には室内音響設備が整って音楽専用ホールに匹敵する優れた音響を有する文化ホールが既に整備されておりまして、まずは、これらの施設の利用を一層高めていくことが重要ではないかと思っております。
 ちなみに、昨年度文化に関する県民アンケート調査を行ったんですけれども、文化施設のハード整備についての要望は約6%とかなり低くて、逆に、子供たちへの文化に親しむ機会の拡充を望む声が約54%と大変多かったわけでございます。
 県内の文化ホールでは、これまでも委員の御指摘のとおり、劇場法の趣旨にのっとりまして、県では文化ホールネットワーク講演事業ですとか企業メセナ事業などによりまして、県内の文化ホールが催す講演を支援してまいりましたほか、各県立の文化ホールにおいても国内外で評価の高いオーケストラを招聘しますなど、鑑賞機会の充実に努めております。
 さらに来年度は、今、予算でお願いしておりますけれども、新たに次世代育成音楽ふれあい事業というのを予算計上させていただいて、ゼロ歳から参加できるコンサートの開催、また、ミュージアムコンサートの大幅の拡充など、多くの県民の皆さんが質の高い音楽に触れる機会を一層創出していくことにしております。
 今ほど、現在のNHK富山放送会館の敷地について御提案をいただいたわけですけれども、先般設置いたしましたまちなか県有資産有効活用検討懇話会におきまして、専門のコンサルタントによる県民のニーズ調査ですとか、また、各種の活用方策の費用対効果などの調査を今後行っていただく予定でありまして、それらを踏まえて有効活用のあり方を検討していくことといたしております。
 今、委員からいろいろ御提案もいただいたわけですが、こうした検討結果を踏まえまして、今後県議会初め、幅広い県民の皆様の御意見をお伺いしながら具体的な活用方策について検討してまいります。
 今後も、いずれにしても、県民の皆さんが質の高い芸術文化を身近で鑑賞できる機会が少しでも多くなりますように努力してまいります。

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