2018.12.25

平成30年11月 富山県議会 定例会

問1 新年度以降の県税収入について

県は、地方法人課税の偏在是正や地方一般財源総額の確保、消費税率の引上げに伴う経済対策について全国知事会議等を通じて国に要望してきており、新年度の税制改正や国予算での措置が期待されますが、地方法人課税の偏在是正や消費税率の引上げが実現した場合の本県の税収への影響はどうか、問いました。
(答)(知事)
来年10月に予定されている消費税・地方消費税率の10%への引上げによる本県への影響については、地方消費税分と地方交付税分を合わせて80億円程度の増収と見込まれます。
 また、地方法人課税の偏在是正については、現在、与党の税制調査会を中心に検討が進められていますが、現時点で具体的な規模等が示されておらず、本県税収への影響額を見込むことは困難です。
 なお、現存する地方法人特別税・譲与税制度においては、本県から国に払い込む地方法人特別税が120億円である一方で、国から本県に配分される地方法人特別譲与税が160億円であり、差し引き40億円のプラスになっています。
 この地方法人特別税・譲与税制度は、消費税・地方消費税率を10%に引き上げる2019年10月に廃止されることになっていますが、新たな偏在是正措置がなければ40億円の減収になります。
 地方法人課税の偏在是正については、これまでも安倍総理をはじめ政府・与党の幹部の方々に様々な機会を通じて全国知事会としての提言を御説明し理解を求めてきました。地方法人課税の偏在是正措置と併せ、この措置により生ずる不交付団体の減収額の全額を地方財政計画に歳出として計上し、地方に手厚く配分することにより、実効性ある偏在是正が実現するよう政府・与党に対して適切な結論を出していただくことを期待しています。最後まで気を緩めずに、政府・与党に対して、鋭意働きかけてまいりたいと考えております。

01
問2 少子化・人口減少社会への対応について

(1)県民希望出生率について、現状維持を目指して最低でも2.0に設定すべきと考えますが、1.9に設定した理由を問いました。
(答)(総合政策局長)
 県民希望出生率とは、県民の皆さんの結婚と理想の子どもの数の希望がかなった場合に実現できる出生率のことであり、県ではこれを、結婚と出産に関するH27.3月の意識調査の結果に基づいて1.9と試算したものです。
 本県の人口ビジョンでは、結婚や子育てに関する現実と希望とのギャップが解消されるように取り組むことにより、合計特殊出生率が2030年までに県民希望出生率の1.9、さらに2040年には人口置換水準の2.07まで上昇するものとして、2060年の総人口80.6万人をめざすこととしています。

(2)出会いから結婚、妊娠、出産までの切れ目のない支援を行う上で、最も基本となる出会いから結婚に結びつく事業展開が重要と考えますが、結婚支援事業の取組状況や成果を問いました。
(答)(総合政策局長)
出会いから結婚に結びつく事業展開が重要と考えています。まず、結婚に向けた気運を醸成するため、結婚をテーマとしたイベントを開催しており、12月2日に開催したイベントでは、参加者アンケートで56%の方から「結婚や恋愛に前向きな気持ちになった」との回答がありました。
また、出会いの機会を提供するため、民間企業・団体が主催する婚活イベントを支援するとともに、若者は自然な出会いの機会を求める傾向があることから、今年度新たに、異業種間交流会や、県内4カ所でものづくり体験などを通した交流会を開催しました。このイベントでも59.3%の方から「今後も継続したい出会いがあった」との回答がありました。
 また、具体的に結婚相手を探している方を支援するため、とやまマリッジサポートセンターにおいて、お見合いサポーターがマッチングしたカップルの交際を支援しており、これまでに47組からご成婚の報告をいただいています。
 さらに、県と市町村が連携して結婚支援事業に取り組むため、結婚支援ネットワーク会議を年2回程開催し、情報の共有や意見交換を行うとともに、広報媒体等を活用し県・市町村が主催するイベント等の相互PRや、お見合いサポーターの合同研修会などを行っています。
 今後とも市町村や企業等との連携を一層強めながら、結婚を希望する独身男女の希望をかなえるための取組みを進めてまいりたいと考えております。

(3)県では、今年度、特別保育事業や保育所・幼稚園等保育料軽減事業など多くの子育て支援事業を拡充して実施していますが、これまでの成果や課題をどう捉え、子育て支援の推進に今後どう取り組むのか、問いました。
(答)(知事)
県では、仕事と子育ての両立支援や子育て気運の醸成に加え、ニーズの高い病児・病後児保育事業などの特別保育事業や放課後児童クラブの充実、「子育て応援券」の配布、第3子以降の保育料の原則無償化、多子世帯への教育費等の融資の実質無利子化など、様々な施策を進めてきました。
 こうした取組みの結果、合計特殊出生率は平成29年に1.55にまで上昇し、県政世論調査においても「子育て支援」は満足度の高い項目として4位となっています。
 今年度からは、ニーズの高い病児・病後児保育や放課後児童クラブのさらなる拡充とあわせて、一定の低所得世帯の第1子・第2子に対する保育料の無償化・軽減、とやまっ子すくすく電気、子育て応援券の拡充など、子育て家庭の経済的負担のさらなる軽減や、年度途中入所に対応した保育士加配への支援拡充など相当きめ細かく実施しており、今後とも子育て支援に積極的に取り組んでまいりたいと考えております。
 なお、現在、国においては幼児教育の無償化等の制度設計、財源の確保に向けて最終的な調整が行われています。特に、財源については当初、国と地方で意見の隔たりが大きかったのですが、国も地方の意見を踏まえ、国費の増額等を方針として打ち出されており、都道府県及び市町村についても、別枠で地方財政措置を確実に行うことが前提です。しかし地方消費税の増収分の範囲内で一定の負担を担うことはやむを得ないのではないかと考えており、幼児教育の無償化等が円滑にスタートするように、県としても引き続き努力してまいりたいと考えております。

(4)県では、子育て支援策において子育ての経済的負担の軽減に加え、少子化対策の観点から子どもの数が多いほど優遇される仕組みを取り入れていますが、例えば、第3子以降が生まれた家庭について、子育て応援券の対象サービスを広げたり交付金額を大幅に増額したりするなど当該仕組みを更に拡充すべきと考えますがどうか、問いました。
(答)(厚生部長)
県では、第3子以降の子どもの出生率が他県に比べ相対的に低い状況であることや、希望する数の子どもを持つにあたり、子育てに係る経済的な負担を課題とする方が多子世帯では特に多いことから、子どもを3人以上お持ちの多子世帯に対する経済的支援は重要であると考えています。
県ではこれまでも、子育て応援券の第3子以降への手厚い配付のほか、第3子以降の保育料の原則無償化、多子世帯に対する教育費等の融資の対象拡大及び実質無利子化、多子世帯や3世代同居の住宅に係る融資の実質無利子化や不動産取得税の減免制度の拡充等に取り組んでいます。また、第4子以上のお子さんが生まれたご家庭に、県立の文化、スポーツ施設等の利用料を無料とするパスポートを配付しています。
こうした取組みもあり昨年度実施した調査では、子どもを増やすにあたっての課題として「子育てや教育に係る経済的な負担」を挙げる回答割合が低下しており、一定の成果が現れていると考えています。
さらに今年度は、多子世帯の電気料金の負担軽減、子育て応援券の利用サービスの拡充、パスポートの有効期限の延長などにも取り組んでいます。
今後とも子育てに係る経済的負担の軽減や、安心して子育てできる環境の整備に努めてまいりたいと考えております。

(5)少子化対策・子育て支援のため、給食費の無償化について、県内市町村と連携し支援を検討すべきと考えますがどうか、問いました。
(答)(教育長)
国の調査によると、平成29年度において、小中学校の学校給食費の無償化又は一部補助を実施している全国の市区町村は506自治体で、全市区町村の29.1%とのことですが、教育委員会で確認したところ、いずれの都道府県においても当該市区町村への助成は行われていないという状況です。
 また、県内では現在、4市町で学校給食費の無償化又は一部補助が実施されていますが、いずれも子育て支援策や人口減少対策の一環として、それぞれの市町の実情に応じて判断され、実施されているとのことです。
 こうしたことを踏まえると、県内市町村と連携して支援を検討すべきとのご提案ですが、県教育委員会としては、なかなか難しいのではないかと考えています。

(6)少子化対策の重要性について、未婚・晩婚化など難しい課題もあるなか、子どもの頃から認識し考える機会を持つことが必要と考えますが、学校教育における現状や今後の取組方針はどうか、問いました。
(答)(教育長)
子ども達が、将来の結婚や出産、子育てなどについて学び、自分自身の人生設計について考えることは、社会の一員として自分の責任と役割を果たしていくことの意味を理解し、大人になる準備を進めていくうえで大変重要なことです。
 このため、高校では平成28年度から富山が働きやすく子育てしやすい県であることを理解し、その上でワークシートを使って人生設計について考えさせる副教材を使ってライフプラン教育を実施しています。また、妊娠出産に適した年齢があることなどを伝えるための産婦人科医による特別授業や、赤ちゃんふれあい体験なども実施しています。
さらに、平成29年度からは中学校においても、中学生向けに作成した副読本を使ってライフプラン教育を実施しており、高校と同様に赤ちゃんふれあい体験なども実施しています。
 今後とも、子ども達が結婚や出産などについて正しい知識を身に付け、自分の人生設計について考えることができるよう、ライフプラン教育の充実に努めてまいりたいと考えております。

02
問3 生産年齢人口の減少への対策について

(1)本県における在留外国人は16,637人と聞いていますが、本県での生活・活動状況や外国人の増加を見据えた多文化共生に今後どう取り組むのか、所見を問いました。
(答)(総合政策局長)
本県の在留外国人は4年連続で増加し、平成30年は過去最高の16,637人となっています。新たな在留資格の創設に伴い、今後も県内の外国人住民は増加していくものと考えられることから、現在、県では外国人の一層の活躍・共生に向け、「富山県外国人材活躍・多文化共生推進プラン(仮称)」の策定に着手しています。
 プランの策定にあたり、県内在住の外国人住民の生活環境や就労実態等を把握することが大変重要であることから、こうした方々を対象にアンケート調査を行うこととしています。
さらに、より詳細な情報を収集するため、外国人コミュニティや外国人を支援する団体、技能実習生受入企業などを対象にヒアリングを行っています。
ヒアリングやアンケート調査結果や国で検討中の「外国人材の受入れ・共生のための総合的対応策」を踏まえ、災害時の外国人対応や医療・保健・福祉サービスの提供体制の充実、外国人児童生徒への学習支援など今後の多文化共生施策について、よく検討することとしています。
 今後とも、国や市町村、企業、民間ボランティア団体などと連携して多文化共生の推進にしっかり取り組んでまいりたいと考えております。

(2)外国人技能実習生については、長時間労働や低賃金、失踪など、多くの課題が指摘されていますが、本県における就業や生活実態等をどのように把握しているのか、問いました。
(答)(商工労働部長)
 技能実習制度の就業実態等については、平成29年度の労働局による実習実施機関への監督指導結果では中部地区6県のデータとしては、労働基準関係法令の主な法令違反は、長時間労働が487件、賃金不払いが279件、最低賃金違反が28件等となっています。
一方、富山労働局からは県内の受入れ事業所においては、送検に至るような重大又は悪質な違反は発生していないと聞いています。
 国において、昨年11月に技能実習制度の見直しが行われ、技能実習生に対する人権侵害行為について禁止・罰則規定が整備されるとともに、新たに創設された外国人技能実習機構において、技能実習計画の認定や監理団体等の許可調査、実習企業の定期的な実地検査を実施するほか、実習生等に対する就業や生活面の相談・援助業務を行うなど、関係機関が相互の連携を図り、技能実習制度の適正な実施や実習生の保護を図ることとされています。
 県としては、技能実習法に基づき創設された地域協議会である中部地区地域協議会に参画し、出入国管理機関や労働基準監督機関、職業安定機関など国の機関や、他の地方公共団体、外国人技能実習機構と相互に連携し、技能実習生の就業状況や生活実態等について情報共有するとともに本制度の適正な運用に取り組んできたところです。

(3)外国人労働者等の増加に伴い、日本人労働者との連携・協調が求められ、日本人労働者の雇用の確保や職場でのトラブルについて特に留意が必要と考えますが、今後どう取り組むのか、問いました。
(答)(商工労働部長)
県内の外国人労働者等は、平成24年の6,102人から平成29年には9,863人と増加しており、外国人材が日本人労働者とも連携・協調し、活躍できる職場環境の整備が重要です。
 日本人労働者の雇用の確保については、今般の入管難民法の改正法案の中で検討されている新しい在留資格では、国内人材の確保の取組みを行っても人材確保が困難な産業分野に限定して、外国人を受け入れることとされており、日本人労働者を含む国内労働市場に大きな影響を及ぼさない枠組みとされています。
また、県では、企業の人材確保に向け、移住・UIJターンやTターンの推進による若者の確保、女性・高齢者など多様な人材の活躍に積極的に取り組んでいくこととしています。
 外国人労働者等とのトラブルについては、文化・生活レベル等の様々な原因が考えられますが、現行の技能実習制度では、受入企業が作成する実施計画において、日本人と同等以上の報酬を定めるなど適切な待遇を確保すること、また、実習生の生活指導を行う常勤の役職員を配置することとされているほか、人権侵害行為に対して禁止・罰則規定が整備されるとともに、外国人技能実習機構等において、実習生に対する相談支援体制を整備するなどの保護方策がとられています。
 県では今後、外国人住民や企業向けにアンケートを実施して実態を把握することとしており、外国人労働者等と日本人労働者との連携、協調が図られる職場環境について、その支援のあり方を含めしっかり検討してまいりたいと考えております。

問4 私立高等学校の定員確保方策について
(1)本年7月の富山県私立学校審議会で、来年度の私立高校10校の収容総定員を本年度より135人少ない6,520人となることを了承し、過去10年間で最も大きな減少幅で、少子化の進展が理由との報道もあります。また、来年度の募集定員の減少数は20人で全体の減少数が135人にも及んでいますが、これらについてどう捉えているのか、問いました。
(答)(総合政策局長)
私立高校の収容総定員数は、3年生から1年生までの入学時の入学定員数の合計値です。
 この入学定員数について私立高校全体でみると、平成28年度から31年度の予定まで、4年連続、前年度比で入学定員を減少させています。特に平成29年度の県内中学校卒業生数の大幅な減少を受けて、平成30年度の入学定員の減少数は過去10年間で最も大きなものとなっており、前後の年度の減少数と併せ、平成31年度の収容総定員が過去10年間で最大の減少となりました。
 各私立高校の入学定員数は、それぞれの私立高校が、過去の当該高校への入学者数やその年度の県内中学校卒業者数、さらには県立高校と私立高校の入学定員の割合、いわゆる公私比率等について勘案し、その上で自ら決定されており、平成31年度の私立高校全体の収容総定員数の減少幅もそうした毎年の決定が積み重なった結果であると認識しています。

(2)公・私立高校のこれまでの公私比率の実績等に基づく等により、私立高校定員枠を固定し、後の定員を公立高校がカバーする方式に変更してはどうか、問いました。
(答)(教育長)
 私学振興の観点から私立高校の募集定員枠を固定した上で、県立高校の募集定員数を決定する方式を導入した場合、今後見込まれる中学校卒業予定者数の大幅な減少を、県立高校の募集定員の減少で対応することとなります。
こうした方式を導入することについては、毎年5月に実施している調査によると、過去5か年平均で88%程度の中学校3年生が、県立高校全日制への進学を希望していることを踏まえると、なかなか難しい面があるのではないかと考えています。

(3)人口が減少するなか、高等学校の更なる再編はいずれ避けて通ることが出来ない課題であり、学校経営の公設民営化も視野に入れた調査や研究、検討が必要と考えますがどうか、所見を問いました。
(答)(知事)
 高校再編については、本年2月に開催した総合教育会議において、県立高校教育振興会議でとりまとめられた報告書を踏まえて検討・協議を行い、再来年4月に4件の再編統合を行うとの実施方針を定めました。
この実施方針では、今回の高校再編は2026年度を見通して実施することとされており、2027年度以降の対応については、中学校卒業予定者数の推移等を踏まえ、別途協議することとされています。
 この協議にあたり、県立学校の公設民営化も視野に入れた調査・研究・検討が必要とのご提案ですが、県としては年末を目途に県立高校再編の実施計画を定め、この計画に基づき、生徒や県民の皆さんに、再編によって高校教育を充実強化することが重要であると考えています。なお、2027年度以降の対応については、今後の本県へのUターン率や移住の動向なども含めた中学校卒業予定者数の動向等を見極めたうえで、適切な時期にあらためて検討すべきものと考えています。
 また、高校の公設民営化については、国家戦略特別区域内で、産業の国際競争力の強化と国際的な経済活動の拠点の形成に寄与する人材を育成する学校について、都道府県等が指定する学校法人などにその管理を行わせることができますが、現在のところ、都道府県立高校の本科では公設民営化した例がありません。
なお、本県の私立高校は、それぞれ建学の精神等に基づいて特色ある教育を実施されていますが、公設民営の高校でどのような教育を行うことが適切であるか、また、生徒や保護者が望むかどうかについて、慎重な検討が必要であると考えています。

03
問5 高齢者や女性も共用できる「少年・少女用野球場」の整備促進について

他県では、移動用外野フェンスにより隣接グラウンドとの同時使用を可能とする手法を採用していますが、移動用外野フェンスを常設する方法等を採用し、その使用状況等を見て他の施設での計画的配置を検討してはどうか、問いました。
(答)(総合政策局長)
常願寺川公園の少年野球関係団体の利用は全体の約38%となっているなかで、「少年・少女用野球優先施設」とすることはなかなか難しいと考えています。
外野フェンスを設置することについては、支障や運用方法等について他の関係者の意見もお聞きしてまいりたいと考えております。

一覧に戻る