2018.10.04

平成30年9月19日 県議会定例会 一般質問

01

問1 災害に強いまちづくりについて

(1)平成30年7月豪雨では広島、岡山、愛媛の3県を中心に大きな被害をもたらしましたが、近年の気象状況を踏まえ、より一層河川整備に取り組む必要があると考えますがどうか問いました。
答(土木部長)
 平成30年7月豪雨と同規模の降雨が本県で発生した場合の被害を想定することは、地形、河川改修状況などが異なり難しいと考えていますが、河川整備の目標とする規模の降雨を上回る雨が降れば、浸水被害が起こらないとは言えません。
 このことから、住民の洪水時の円滑かつ迅速な避難のため、県内河川においては、広島市の48時間雨量407mmを上回る「想定し得る最大規模」の降雨量を対象とした洪水浸水想定区域図を年度内を目途に作成しており、市町村においてはこれを基に新たなハザードマップを作成することとしています。
 県としては、こうしたソフト対策を進めるとともに、河道の拡幅や放水路の整備などのハード対策を進めています。具体的には、過去に大きな浸水被害が発生した河川や、近年の集中豪雨等により住宅等への被害があった河川において、事業効果を早期に発現できる区間を一連区間として設定し、計画的かつ重点的に進めています。
 また、全国各地で集中豪雨などによる甚大な被害が発生していることから、早期に河川の流下能力の向上を図るため、未然防止対策事業として本定例会に4億5千万円の予算案を計上し、堆積土砂の浚渫、伐木及び既存施設の機能強化に取り組むこととしています。
 今後とも、県民の安全・安心を守るため、必要な予算の確保に努め、災害に強い県土づくりにしっかりと取り組んでまいりたいと考えています。

(2)「飛越地震(安政の大地震)」をはじめ、本県における過去の大きな災害等について県民が認識する機会を設け、防災意識を醸成すべきと考えますが、これまでの取組状況と今後の対応策を問いました。
飛越地震から160年を迎えた今、いつ再び大地震等が発生しても適切な対応ができるよう、県民への意識付けが必要です。
答(危機管理監)
 これまでに本県で発生した大きな災害の歴史について、多くの県民に認識され語り継がれていくことは、県民の防災意識の醸成につながるものであり大変意義があるものと考えています。
 「飛越地震」については、本県の立山砂防工事のきっかけとなった大災害であり、立山カルデラ砂防博物館で常設展示として紹介するとともに、9月30日に開催する「立山砂防シンポジウム」や、10月1日から4日まで開催される国際砂防学会を通じ、県内外へ広く情報発信を行うこととしています。
 また、「飛越地震」に限らず、本県での大きな災害の歴史について、県が作成した県民向けの「ふるさと富山防災ハンドブック」や、子ども向けの「とやま防災ハンドブック」の中で紹介しています。さらに四季防災館では、本県の水害と治水の苦難の歴史を年表と写真で紹介するとともに、地震や風水害などの脅威を身をもって体験いただくなど、体験型学習施設として本県の災害の歴史や災害への備えなどについて広く周知を図っています。
 今後とも本県における大きな災害を県民に認識していただけるよう、県の防災ポータルサイトである「富山防災WEB」への掲載の検討も含め、情報発信の充実に努め、県民の防災意識の醸成を図ってまいりたいと考えております。

(3)災害時には交通機能等の確保が肝要であり、近年の災害の頻発を踏まえ、電柱の倒壊による通行障害等の対策として、無電柱化を推進することが必要と考えますがどうか、問いました。
 無電柱化は、道路管理者と電線管理者からなる「無電柱化協議会」での合意に基づき、事業が推進されていると聞いています。
答(土木部長)
道路の無電柱化については、良好な景観の形成や安全で快適な通行空間の確保、災害に強いまちづくりの観点から、主要な駅周辺地区、中心市街地や県内を代表する観光地などで実施してきました。
 その整備状況については、平成29年度末までに国道、県道、市町村道を合わせて、道路の路線延長では約46kmとなっています。
 特に近年は東日本大震災の際に倒壊した電柱により、避難や救助活動に支障がでたことを踏まえ、防災上の観点から必要性が高まっており、本県においても総合計画において、魅力ある景観の形成に加え、災害時における道路の通行確保の観点から、計画的に無電柱化を進めることとしています。
 無電柱化を進めるにあたっては、整備に多大な費用がかかること、電線管理者の費用負担も大きいため電線管理者との合意形成が必要であること、地上機器を道路上に設置することに対して、住民の理解を得る必要があることなど課題もありますが、県としては今後とも、一層のコスト縮減に努めるとともに無電柱化協議会などにおいて、電線管理者の理解と協力を得て、無電柱化を推進してまいりたいと考えております。

(4)神通川左岸地区の浸水対策について
ア 都市環境が大変貌を遂げ、相対的な浸水対応力の低下が推測される中、豪雨が起きても浸水対策は万全と言えるのか所見を問いました。
当該地域の農用地面積は、久郷排水機場が設置された昭和58年当時に比して大幅に減っており、当該地域の保水・遊水機能は格段に劣っていると推察されます。
答(土木部長)
神通川水系井田川支川の田島川流域などでは、平成16年10月の台風23号の豪雨などの際に、本川である井田川の水位が高くなることで支川である田島川などの水位が上昇し、都市化の進展による当該地域の保水・遊水機能の低下という要因もあり、雨水などが河川に排水できなくなることによる浸水被害が発生しています。
 このため、国・県・市が連携し浸水被害への対策として、国による井田川での伐木、県による田島川の下流部約480mの流下能力を秒速30.8㎥から36.4㎥へと約1.2倍に向上させる拡幅工事などの流下能力向上策や、市による羽根と 久郷における調整池整備などの流出抑制策を実施してきました。
 また、県の呼びかけで国や県、市からなる田島川流域における浸水対策についての勉強会を平成28年1月に立ち上げ、現地の排水系統などの調査や過去の豪雨時の浸水原因の分析を進め、さらなる浸水対策の実施について調査・検討をし、洪水時における水門操作や排水ポンプ車配備に係る連絡体制の充実強化などを行ってきました。
 こうした取組みにより、本年7月の豪雨では、家屋への浸水被害がなかったことから、一定の効果があったと考えていますが、今後とも治水安全度の向上に努めてまいりたいと考えております。

イ 神通川左岸地区の浸水対策について、豪雨時における浸水被害防止の対策を更に進める必要があると考えますが、今後どう取り組むのか問いました。
更なる都市開発の進展により、地域全体の保水・遊水機能は今後ますます低下していくことが危惧されます。
答(土木部長)
今年度も7/26に勉強会を開催し7月豪雨での検証を行いました。平成25年9月の豪雨では、12時間雨量で約80mm、床下浸水が4戸、昨年10月台風21号では12時間雨量で約100mm、床下浸水が2戸、今年7月の豪雨では、12時間雨量で約120mmでしたが、家屋への浸水被害がなかったことから、これまでの浸水対策について、一定の効果があったと考えています。
今後も、継続して検証を行い運用の改善に努めることとしており、具体的には、井田川と田島川の合流部における両河川の水位を把握するため、国が設置済みの井田川の水位計に加え、県が今年度内を目途に、新たに田島川や祖母川に水位計を設置し、より適切な水門操作やポンプ車の配備に活用するとしています。また、水位情報はインターネットを通じて一般に公開することとしています。
議員から、大規模調整池の新設や排水機場の設備更新のご提案がありましたが、県としては、田島川流域の治水安全度の向上が重要と考えており、引続き、浚渫・伐木、ポンプ車の配備に関する連絡体制の充実強化などの即効性のある対策に取り組むとともに、どのような方策が採り得るかについて、継続的に国・県・市、分野的には土木・農業・防災の担当者が参加する勉強会の場を通し幅広く検討し、改善策に取り組んでまいりたいと考えております。

02

問2 人口減少社会への対応について

(1)6月に閣議決定された「骨太の方針」で「人手不足が深刻な中、一定の専門性・技能を有する外国人材を幅広く受け入れていく」とされましたが、本県において、高度な技能を有する外国人留学生の県内企業への就職促進をはじめ、外国人材の活躍にどう取り組んでいくのか、問いました。
答(知事)
外国人材の受入れについては、去る6月に閣議決定された「骨太の方針」において、外国人留学生の国内での就職の円滑化や、新たな在留資格の創設をはじめとする抜本的な受入れ拡大策が示され、外国人材の受入れ・共生に関する関係閣僚会議において、具体的な議論がなされています。
 本県の外国人留学生は平成30年では461人となっており、人手不足が深刻化する中で、特に高度な技能等を有する外国人留学生は、企業の多様性や成長に貢献することが期待されると認識しています。一方で、本県の留学生の県内等での就職希望者と実際の就職者数には大きなギャップがあることから、その県内就職に向けた働きかけを強化する必要があります。
 県では、外国人留学生等のグローバル人材を確保するため、アセアン地域からの留学生の積極的な受入れに加え、外国人留学生向けの合同企業説明会や就職セミナー、県内企業向けの外国人採用に関するセミナーの開催、日本独自の就職慣行や県内企業への就職事例を掲載したハンドブックの作成及び県内企業等への配布などに取り組み、これらの結果、外国人留学生のマッチング件数は年々増加し、平成24年度は0人でありましたが、平成29年度の就職者は27人となっています。
 今年度は、新たに近隣大学での留学生向け就職相談会や東京での合同企業説明会等を開催するほか、9月補正予算案に計上している留学生の就職活動の際に必要な日本語能力やビジネスマナー向上のための就職支援講座や、東京での留学生向けセミナーの開催にも取り組みたいと考えています。
 県としては、国における対応や社会経済情勢の変化を受けて、外国人の一層の活躍・共生に向け「外国人材活躍・多文化共生推進プラン(仮称)」の策定に着手することとしており、今後、留学生等の県内企業への就職促進をはじめとする外国人材の活躍に向けて、しっかりと検討してまいりたいと考えております。

(2)6月に閣議決定された「まち・ひと・しごと創生基本方針」で「2019年度から6年間で地方の就業者や起業家を30万人増やす」とされましたが、この数値目標の本県に対する影響をどう捉えているのか、また、就業や起業など、女性や高齢者、移住者の活躍環境の整備に今後どう取り組むのか、問いました。
30万人の内訳は、地方在住の子育てを終えた女性や退職した高齢者ら24万人と移住者6万人とのことです。
答(知事)
 東京一極集中の是正や地方における担い手確保の観点から、「まち・ひと・しごと創生基本方針2018」においては、UIJターンによる起業・就業や、女性・高齢者等の起業・就業促進の強化が打ち出されました。これを受けて、国の平成31年度概算要求では、東京圏から地方への移住者の移住に要する経費などの経済的負担を軽減する取組みに対する支援等が盛り込まれたところであり、地方の要望を一定程度踏まえた対応と受け止めています。
 国の基本方針では、UIJターンによる起業・就業を6年間で6万人、女性や高齢者等による起業・就業を6年間で24万人創出することを目指すとされていますが、これを仮に人口比で単純に按分すると、富山県分は、UIJターンが120人/年、女性・高齢者等が480人/年と試算されます。
 平成29年度における本県への移住者729人のうち東京圏からは298人となっており、既に先の試算値を上回る実績を上げています。また、「とやまシニア専門人材バンク」を通じた就職者数についても平成29年度で552人と先ほどの試算を上回っているほか、「とやま起業未来塾」や「とやま観光未来創造塾」の卒塾生についても毎年相当程度起業しています。国による施策の創設・強化は、県の取組みを更に後押ししてくれるものと考えています。
 今後、国に対しては、国の予算編成・税制改正作業に当たり、地方の実情を十分踏まえた対策としていただくように全国知事会等とも連携して求めていくとともに、県としては、引き続き、移住・UIJターンの促進や女性・高齢者の起業・就業促進等にしっかり取り組んでまいりたいと考えております。

問3 男女共同参画の推進について
(1)富山県男女共同参画計画が平成13年に策定されてから17年が経過し、本年3月に第4次の計画が策定されましたが、男女共同参画の推進に係るこれまでの取組みの成果や現状、今後の取組方針を問いました。
答(知事)
県では、過去3次にわたる計画に基づき、各種施策に取り組んでおり、女性の就業率や平均勤続年数、県職員・教員の管理職や、研究者・技術者の割合は全国トップクラスで推移するなど、各分野での女性の参画は着実に進んできています。しかし、民間も含めた女性の管理職比率が低い水準にあることや、性別による固定的な役割分担意識も依然として残っているなど解決すべき課題があります。
 少子高齢化に伴い生産年齢人口が減少するなか、社会の多様性と活力を高めるためにも、女性が個性と能力を社会の中で十分に発揮できる環境づくりを一層進めることが重要になってきています。また、国において第4次基本計画の策定、女性活躍推進法の全面施行、働き方改革実行計画の策定といった大きな動きがあったことから、本年3月に概ね10年間の県の第4次計画を策定しました。
 今回の計画は、「男女共同参画社会実現のための意識改革」を全ての取組みに共通する「横断的視点」と位置づけ、新たに女性活躍推進法に基づく県の推進計画としても位置付け、長時間労働の是正や仕事と生活の調和、男性の家事・育児等への参画、女性の管理職登用、キャリア形成や再就職支援、理工系分野等における女性の活躍などを重点課題としました。
 今後、施策の推進にあたっては経済団体や関係機関、市町村とも連携を図り、イクボス企業同盟の取組みや中小企業の取組みへの支援、企業の顕彰などを通じて職場、地域、家庭等のあらゆる場面での女性の活躍を推進することとしており、男女共同参画社会の実現に向けしっかりと取り組んでまいりたいと考えております。

(2)平成27年に女性活躍推進法が制定され、女性の管理職登用や採用、勤続年数の男女差の解消等に取り組むこととされましたが、これらについて県内企業の現況や今後の取組方針を問いました。
答(総合政策局長)
 本県は、女性の就業率や平均勤続年数は全国トップクラスで男女差も全国平均に比べて小さいですが、フルタイム勤務の女性の約5割が第一子出産を機に離職しており、女性管理職の割合も全国平均に比べて低い水準です。
 県ではこれまで、仕事と子育ての両立を支援するため、行動計画の策定義務付けの対象企業を条例で拡大するとともに、優れた取組みを行っている企業の顕彰等に取り組んできました。また、チーフ・オフィサーの設置や、煌めく女性リーダー塾、元気企業とやま賞、再就職支援等により企業における女性の活躍を支援してきたところです。
さらに今年度は、女性活躍推進法に基づく行動計画の策定支援や中小企業へのアドバイザー派遣、煌めく女性リーダー塾の拡充、仕事と家庭の両立支援ガイドブックの作成などに取り組んでいますが、各企業における取組みをさらに加速させるため、今議会に提案している9月補正予算案において、中小企業での女性活躍推進に向けた専門コンサルタントによる助言、イクボス同盟の加盟企業の優良事例の紹介等を行うこととしています。また、採用の面では、富山労働局や商工労働部とともに、県内経済団体に対し女性の採用・定着等の促進にかかる要請を行うなど、女性の採用拡大にも取り組んでいます。
 女性の活躍は企業の重要な人材戦略であり、今後とも業種や規模に応じたきめ細かな支援を講じるなど、しっかりと取り組んでまいりたいと考えております。

(3)女性の活躍環境の整備は、生産年齢人口の減少対策に資するものでありますが、男性の家事・育児への参画促進について、取組状況やその成果を問いました。
 厚生労働省の調査結果では、夫の家事・育児への参画時間が長いほど第2子以降の誕生割合が高いとのことであり、少子化対策の面からも大変重要です。
答(総合政策局長)
 社会のあらゆる分野で女性が個性と能力を十分発揮するためには、男性の家事・育児参画が大変重要であり、第4次男女共同参画計画で、新たに重点課題に位置づけました。昨年、子育て世帯を対象にした調査では男性の家事・育児の参画割合が増加しており着実に改善されていますが、実態は依然として、妻の負担割合が重くなっています。男性の参画促進にあたっては、家庭内での家事等の役割分担の見直し、職場の上司・同僚などの理解、男性自身の家事等への抵抗感をなくすことが必要と考えています。
 このため、学生を対象にしたライフプランを考える出前講座、地域における男女共同参画推進員による啓発活動、県民共生センターにおける普及啓発活動などに取り組んでいます。また、男性が仕事から早く帰宅し家事・育児を行うためには職場の働き方改革を推進する必要があり、働き方改革県民運動や、イクボス企業同盟の取組みなどで経営者への働きかけを進めています。さらに男性の育児休業取得の促進のため、国の両立支援等助成金の利用促進にも努めているところです。
 今後とも経済団体、関係機関とも連携しながら、男性の家事・育児参画の一層の促進を図り、男女ともに仕事と家庭が両立できる職場環境づくりに積極的に取り組んでまいりたいと考えております。

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